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2023 BEST Albums/EPs

毎年ギリギリまでかかってしまう年間ベスト選び。

ようやっと作業を終えたので放流します。

 

例によって、備忘録がメインであり、実際の順位なり選出なりはそれ以上の意味をあまり持たないのですが、今年は個人的であることにさらに拍車がかかっています。

 

この一年、新しい作品もそれなりに聞きましたが、今まで半ば無意識に避けてしまっていた古い作品も積極的に聞くようにしたのです。というわけで、ベストを選ぶには烏滸がましいほど新譜が聞けていません(今更Elliott Smithにどハマりしたりしました)。

選出も自分の生活との接点だったり、単純に好みだったりと、「私の個人的な選定である」以外の基準みたいなものがありません。

 

でも、そういうリストが良いなと思いますし、もともと「個人が自分なりの何かで選んだもの」を楽しむ催し物がベスト作りだと思うので、あまり色々考えずにいきましょう。

順位も、読み物としての楽しさのためにあると思ってください。

 

というわけで、先にプレイリストを貼って...。

それではどうぞ。

10. Magnús Jóhann - Rofnar

12月に飛び込んできた、Magnús Jóhannの新作。

しなやかに強い。ピアノアンビエント系といえばそうなのだろうけど、自分のやれることを模索しながら、その中で出てくるものを作っている感じがとても良い。

 

これからもたくさん聴いていく作品で、発表が年末じゃなければリスト後半で紹介することになっていたかも。

9. Geese - 3D Country

バンド全体が非常にまとまっていて素晴らしいのはもちろん、ボーカルがとても表情豊か。

タイトな演奏だからこそ、コロコロ感触の変わるボーカルを乗せるとこんなにも面白いの、と思ったり。純粋に聴いているときの楽しさというか、ワクワク感みたいなの。

 

陽が出ていて明るいところに行く時とか、そういう場面で聞きたくなる。

8. Afternoon Bike Ride - Glossover

自分が今年作った音楽に対して、音像的なところで一番影響があったかもしれないアルバム。

細かい音のエディットとか、フィルターが閉じたり開いたりする感じをたくさん研究させていただいた。特にドラム。二か国語なのも良い。

 

ライブはどうしてるんだろう。というか、とても参考にしたいのでいつか見に行きたい。

あと、Nothing In Particularのギターソロ超好き。

7. Alice Phoebe Lou - Shelter

ロマンチックで、生活が入っていて、柔らかいけど影があって。

いいなーって思いながら、リリースされた後から本当にずっと聴いているアルバム。

何聞くか迷ったらとりあえず選んでしまう。

 

Shelterというアルバムタイトルも、さもありなんというか、いつでも戻ってきてしまう。

6. odol - DISTANCES

まず、バンド名が小文字なのにアルバムタイトルは大文字なところがずるい(?)。

日本語とは付き合いが難しくて、あまりたくさん聞くことはないのだけど、odolは曲も歌詞もすごくすんなり入ってくる。

 

今日、これを書きながらリサーチしていて初めて知ったのだけど、ジャケットはアイスランド撮影らしい。ご縁。

でも、曲からはすごく抽象的なトウキョウを感じる。

5. Gia Margaret - Romantic Piano

こういう音楽で「きちんと色がある」というのは本当にすごいことで、前作までのアルバムの感覚が結実したところも含めて、素晴らしいアルバム。

唯一歌が入っているCity Songも違和感なく流れの中にあって、何度でも聞ける。

 

やっぱり生活の感じが入る曲が好きなんだな、と改めて思う。

City Songに関しては、非公式に対訳を作ったので、興味がある方は是非。

Gia Margaret - City Song (from Romantic Piano)

4. Supersport! - húsið mitt

焚き火とか囲むタイプの音楽(?)。

暖かくて雰囲気がとても良いのだけど、ほんの少し肌寒い感じが、作られた国を覗いているようで素敵。知っているからこその思い込みかもしれないけど、そう思わずにはいられない。

 

去年のAirwavesでライブを見て好きになり、このアルバムをリスナーとして聴いていたのですが、何故か対バンすることになったのは2023年における個人的ハイライトの一つかもしれない。

3. JPEGMAFIA & Danny Brown - SCARING THE HOE

ミームだというのは承知の上で、それにしてもなんと人に勧めにくいタイトル。

しかし、それに見合うだけの音像。やりたい放題。

今回のリストにおいて、唯一、楽曲の強度”だけ”を理由に選出しているアルバムかも。

 

といいつつ、モードというか姿勢というかも素晴らしくて、アーティストとしての芯みたいなのが感じられるところも良い。

2.  Slow Pulp - Yard

聞くたびに、これでいいんだよこれで、みたいな気持ちになる。

日記みたいに曲を書くということ、音楽と生活にあまり境界を作らないということ。そういう美しさというか儚さが詰まっていて、ひたすらに聞き続けた一枚。

 

歌詞も素晴らしくて、対訳をやらずにはいられなかった。

是非、見ながら一緒に聞いてください。

Slow Pulp - Yard

1. Periphery - Periphery V: Djent Is Not A Genre

リスト上、めちゃめちゃに浮いている選出なのはわかっているんです。

でも、聞いた回数も、思い入れも一番で、これを選ぶしかなかった。

 

タイトルはあんまり真剣に決めていないんじゃないか/ネットミームや内輪ネタを参照しているところがあるんじゃないか、という見方もあると思うのですが、個人的にはステイトメントなんじゃないかと思っています。

ジャンルがどうとかじゃなく、自分たちのスタイルで良い曲を作るという、そういう意思表示。

 

前作までと違い、ボーカルを後載せするのじゃなくて、作曲段階から一緒に作ったという話を聞いて、だからこんなにもジャンルレスな良い曲として聞けるんだな、と思ったり。

きちんとヘビーではあるというか、御作法を守って作っている部分もあるのだけど、それはバンドの出自が出ているというだけな気もする。

 

好きなもの作って、それが一番良いって幸せなことなんです、きっと。

番外編: Ukas - Smaller, the Long-Awaited Summer

そうです、今年自分が出したEPです。

音楽を作る側として非常に活動した1年(当社比)で、このEPが自分を色々なところに連れて行ってくれました。

まだの方は聞いていただけると。是非。何卒。

最後に:私信

今年も色々あったけど、なんだかんだ、今一番人生が楽しいです。

このまま来年も駆け抜けたい。

音楽をもうちょっと聞きたいし、作りたい。演奏もしたい。

 

誰が読んでいるのかはともかく、そんな感じで、皆さん今年も大変おせわになりました。

来年もよろしくお願いいたします。